いつものように朝の挨拶をしに行くと、「きのうは一睡もしてない!」と怒りをぶつけて来た父。
ここのところ、毎日そんな調子。
父がそんな風になるのは、体がしんどいせいだとわかっているし、足腰が弱わってほぼ一日じゅう座ってすごし、人と会話もないから(私やお手伝いさん以外は)刺激もなく、だけど体は起きてるだけで疲れ果てる。
夜ぐっすり眠って疲れを取りたいのに、眠れないのだから、父の日々は拷問めいている。
それでも、父は、朝にはちゃんとベッドから起きて、座って過ごすことで寝たきりにならないようにしているし、日中に横になれば楽でも、それをしたら寝たきりになるから、父は戦い続けている。
だから、やり場のない怒りくらい、私にぶつけてもいいよ。
我慢するから。
今朝の父は、よほど体がしんどかったようで、「病院に行きたい」とも言ったから、土曜日だったけど、すぐにかかりつけの病院に診てもらう手筈を整えた。
病院に行き、採血すると、父の血管が細くて出なくて大変だった。
静脈が出ないから、動脈にまで針を刺し、少しは採血できたけ動脈は強烈な痛みがあるから父は耐えかね、先生に「痛いよ!」と怒鳴り、先生も断念、結局足のつけ根の血管から採血した。
待ち時間は、はじめてベッドで寝かせてもらい、病院内の移動は、はじめて車いすを借りた。
父の身体レベルは明らかに低下している。
ただ、血液検査の結果は、良くも悪くもなく横ばい状態だったので、心から父の回復を祈る。
睡眠薬の常用は、認知症になるからと、断固として父は飲まずに来たけれど、睡眠が回復のカギ!だから、「もう飲んだ方がいいよ」と父への説得を試みた。
父は医者だったから、素人の私の言うことなど、これまで聞こうとしなかったけど、今日は眠れれば何でもいいと思ったみたい。
担当医の先生に睡眠薬でも軽いものをリクエストすると、睡眠薬とは違うけど似た作用のある安定剤を処方してもらった。
PS。
睡眠薬のような安定剤を飲んだ夜、父は久しぶりにぐっすり眠れた。